A Stone's Throw
エッセイ -- アルマンド・カブラル
ブルックリンに移り住んだ9年前、フォート・グリーンとのつながりは瞬時に生まれた。フットウェアのデザインから、Theoryのモデルとしての活動まで、その絆は時とともに深まっている。
アルマンド・カブラルは、この9年間暮らしてきたブルックリンに強い誇りを抱いている。“自分はとてもローカルな人間で、拠点は常にブルックリンだ”と語る彼は、少し肌寒い晴れた正午前、フォート・グリーンの自宅で静かにリラックスした時間を過ごしている。
多忙を極める日々のなかでも、カブラルは一貫して自分の流儀を貫く。ミニマルなTheoryの装いを好み、2016年に同ブランドと手がけたスニーカーを履くこともある。自身のフットウェアブランドでは、ギニアビサウのルーツに敬意を払い、手編みの生地を取り入れてきた。20年以上のモデル経験に加え、近年はUSMとのコラボレーションで、暮らしの美学に着想した限定ホームウェアも発表している。
44歳のカブラルの仕事は、リスボンのMAAT(ミュージアム・オブ・アート、アーキテクチャー&テクノロジー)での最近の展示のように、彼を遥かかなたの地へと連れていくこともある。だが心を惹きつけてやまないのは、玄関先に広がるコミュニティ主導のスポットだ。
「クリエイティブな住人がいて、レストランも充実している。ブルックリンで完璧な地域を探しているなら、まさにここだよ」と、迷いなく語る。日々は決して同じではない。土曜の朝にはフォート・グリーン・パークのファーマーズマーケットで新鮮なトマトを探すこともある。「セントラルパークほどの大きさじゃないけれど、完璧なんだ」と彼は言う。その足でダンボの風光明媚なウォーターフロントへ向かったり、ブルックリン・ハイツ・プロムナードで夕焼けに見入ったり。暮らしの半径にある風景が、彼の感性を静かに刺激し続けている。
ポルトガルで多感な時期を過ごし、ロンドンを経て2006年にニューヨークへ移住したことは、彼が自身のレーベルを立ち上げる転機となった。現在も創作意欲を刺激するブルックリン・ミュージアムに足を運び、新たなインスピレーションを見出している。
1960年代のブラック・アーティスト、とりわけ写真家セイドゥ・ケイタの作品がもたらしたインパクトに思いを巡らせる。ブルックリンの住宅の階段に腰を下ろし、行き交う人々の歩き方や装いを眺めることも彼の日常だ。「人がどう歩き、どう装い、どう自己表現するのかを見るのが好きなんだ。そこからインスピレーションが生まれる」。観察するという行為そのものが、彼の創作の源泉になっている。
Groomer Mirna Jose at See Management. Fashion Assistant Ornela Qorri. Production The Morrison Group. Special Thanks 2DM Management.
着用アイテム
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