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Like a Dance

Interview -- イゾルデ・ブリエルマイアー

ニューヨークのアート・ワールドを行き交う
イゾルデ・ブリエルマイアーの動きには、
まるでダンスのようなリズムがある。
スルーライン(一貫した要素)とは?
それは、キュレーションに対する
彼女の包括的なアプローチ、
そしてTheoryをはじめとするブランドとの
芸術的なコラボレーションだ。

アーティストと観客、コミュニティと制度、そしてアイデアと行動----そのあいだに関係性を生み出す力としてのアート。この力こそが、イゾルデ・ブリエルマイアーのキャリアを形づくってきた原動力である。ニューヨークのグッゲンハイム美術館でプログラム・マネージャーとして歩みを始めて以降、彼女はコロンビア大学で美術史および批評研究の博士号を取得し、公共・民間の両領域を横断しながらキュレーターとして活動してきた。20年以上にわたるキャリアの中で、彼女はSCAD美術館のチーフ・キュレーターを務め、キュレーター・アット・ラージとして国際写真センター(ICP)など世界的機関とも協働している。さらにウエストフィールド・ワールド・トレード・センターではエグゼクティブ・ディレクターとして、アート、カルチャー、コミュニティを結ぶ取り組みを主導してきた。

現在はブルックリンのプロスペクト・ハイツを拠点に、プロスペクト・パーク近くの自然とコミュニティに根ざした日常を大切にしながら活動を続けている。彼女が一貫して探究してきた「コネクション」というテーマは、美術館での展覧会から、アート、ファッション、コミュニティの境界を横断するプロジェクトへと展開してきた。2016年にはSCADでキャリー・メイ・ウィームス展を、2020年にはICPでタイラー・ミッチェルの全米初個展をキュレーション。ニューミュージアム副館長を経て、現在はWorkofArtHoldings(W.O.A.H.)のチーフ・ストラテジー・オフィサーとして、アート・インスタレーションのキュレーションやプログラミング、さらにはTheoryのようなブランドとアーティストを結びつける役割を担っている。過去20年を振り返りながら、ブリエルマイアーは自身の原点、メンターから受けた影響、そしてコラボレーションを一種のコレオグラフィーとして捉える思考へと、静かに意識を向けている。








「サステナビリティが
Theoryの中心に据えられている点を、
私は大切にしています。
自分が身にまとう服がどこから来て、
それが人や場所に
どのような影響を与えているのかを、
常に考えるようにしています。」

アン・ビンロット(AB): あなたはファインアートとアカデミアの分野からキャリアをスタートされています。その初期のトレーニングは、現在の世界の捉え方や創造性への向き合い方にどのような影響を与えていますか。

イゾルデ・ブリエルマイアー(IB): 両親はアートやカルチャーへの関心がとても高く、シアトルで育った私は、幼い頃から多様な文化体験に触れてきました。シェイクスピアの舞台を観たり、美術館に通ったり、現代美術やアフリカ美術にも出会いました。7歳から始めたダンスは、若い頃の人生の大部分を占めるほど大きな存在です。今振り返ると、創造性、自己表現、コミュニティや観客との関係性、努力や規律、「見られること」といった、現在の私の仕事の本質がすでにそこにありました。主に白人中心の芸術領域で育った黒人の少女として、「可視性」や、アーティストであることの意味を早くから考えるようになったのも、その経験と無関係ではありません。

AB: プロのダンサーを目指していたのですか。それとWideEyedも別の道も視野に入れていたのでしょうか。

IB: ダンサーになりたい気持ちはありましたが、教育を重んじる家庭で育ちました。「踊りたいだけ踊っていいけれど、学業は必ず修めること」というのが両親との約束でした。10代後半、ニューヨークでダンスと学業を両立するなかで、ダンス以外にも強く惹かれるものがあると気づきました。20代半ばでグッゲンハイム美術館に勤め、故オクウィ・エンウェゾー氏に導かれた経験が大学院進学の契機となり、最終的にコロンビア大学で美術史と理論の博士号を取得しました。私は常に、アーティストのそばにいたいと思ってきました。彼らの生き方や世界への反応の仕方に、強く惹かれていたのです。修了後は教育と並行し、アーティストと直接協働しながら作品を発表する場づくりに関わるようになりました。

AB: キャリア初期と比べて、アート界はどう変わったと感じますか。

IB: 大きく変化してきました。私が入った頃、私のような存在は多くなく、アートやアーティストの定義も今よりずっと限定的でした。そのなかで私は、献身的で粘り強く、自らを可視化してきた人たちと出会いました。同時に、道を切り拓いてきた先駆者たち----デボラ・ウィリス、セルマ・ゴールデン、キャリー・メイ・ウィームス、ローナ・シンプソンといった女性たち----への敬意を常に抱いています。彼女たちは表現を広げるだけでなく、作品が見られる場をつくり、公式・非公式を問わずメンタリングの重要性を体現していました。

AB: キュレーション、リーダーシップ、コミュニティづくりをつなぐものは何でしょう。

IB: キュレーションの面白さは、アーティストと協働し、そのビジョンを形にしていく点にあります。同時に、その作品を人々が実際に見に来るということを常に意識している。だからこそ、それはどこか「振付」にも似ているのです。ここで、私のダンスの経験が生きてきます。この感覚は、研究や教育とも深く結びついています。アーティストとともに作品を提示する際、いかに多くの入口を開き、人々が作品と出会い、理解し、味わえるようにするかを考える。それはとりわけ、普段あまりこうした場を訪れない観客にとっては、教育のプロセスでもあります。リーダーシップについては、ここ10年ほどで、専門家として、そして一人の人間として成長するなかで、より強く関心を持つようになりました。私が常に考えているのは「お客様」、つまり最終的には他者を思いやることです。私にとってリーダーシップとは、上に立つことではなく、自分のもとにいる人々を大切にすること。協働とは何か、どうすれば人々と対等にパートナーとして何かを生み出せるのか。展覧会やプロジェクトを築くとき、全員の声が届き、存在を認められていると感じられるにはどうすればいいのか。そして、テーブルにつく一人ひとりが持つ多様な才能を、どう引き出し、活かしていくのか。その問いの連続です。この道のりは、常に学び、心を開き、「人に働いてもらう」のではなく「人とともに働く」ことを考え続けるプロセスであり、私はそこに大きな充実感を見出しています。

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AB: W.O.A.H.では、アートやイノベーションとの関わり方そのものを再定義しようとされています。これまでの歩みのなかで、最もやりがいを感じている点は何でしょうか。

IB: 会社であり、プラットフォームであり、私にとっては「場」です。アート、カルチャー、ビジネス、目的意識をどう結びつけ、実際のインパクトとコミュニティを生み出せるか。アーティストとコミュニティの両方を中心に据えること。その可能性を探ることに、大きな意味を感じています。

AB: ニューヨークは、あなたの物語に深く関わる街ですね。

IB: 本当に多くを与えてくれた街です。浮き沈みはありましたが、私はここで立ち直り、成長してきました。ニューヨークが好きなのは、世界の一部であり続けているから。ここにいれば、多様な文化と出会える。私はこの街に「居場所」を感じています。

AB: この街でしか得られないものとは。

IB: 無数の人やコミュニティが刻んできた痕跡です。しなやかな強さ、忍耐、謙虚さ、感謝、そして共感の大切さを、この街は教えてくれました。

AB: これほどスピード感のある環境のなかで、どのようにして心を整えたり、インスピレーションを得たりしているのですか。

IB: 私は、ブルックリンのプロスペクト・パークの近くに住んでいて、週に5日か6日はその公園に足を運んでいます。自然は心を落ち着かせ、エネルギーを取り戻させてくれます。「今ここ」に意識を向けて、小さな変化に気づくこと。ブルックリンにも、きちんと日の出や日の入りがあります。立ち止まってそれを味わえば、それは本当に美しい瞬間なのです。AB:Theoryは、モダンなシンプルさと目的意識を核にしたブランドです。それはあなたにとって、個人的にどのような意味を持っていますか。

IB: コロンビア大学卒業後、最初の面接で着たのがTheoryのスーツでした。時間をかけて買い、何年も着続けた一着です。

AB: 今、Theoryの服はあなたの日常のなかでどのような存在に。

IB: 先日バレエを観に行ったときは、Theoryのメンズのタキシードを着ました。それで十分でした。サステナビリティがTheoryの中心に据えられている点を、私は大切にしています。自分が身にまとう服がどこから来て、それが人や場所にどのような影響を与えているのかを、常に考えるようにしています。

AB: 若いクリエイターへ、アートの世界で「意味があり、かつ持続可能な」キャリアを築くためのアドバイスをするとしたら。

IB: できる限り、自分自身についての"宿題"を重ねることです。自分がどう感じているのか、何を考えているのか、身体が何を伝えているのか、自分自身にどんな物語を語っているのか----そうしたことに丁寧に向き合ってください。それらを手がかりにしながら、自分の情熱や心が動くものを見失わず、世界のなかでどのようにすれば最も誠実に、最も自分らしく存在できるのかを考え続けること。思慮深く、親切で、思いやりをもって、そして自分の「喜び」をしっかりと手放さずにいてほしいと思います。

Hair Stylist Cassandra Normil. Makeup Artist Whittany Robinson at The Only Agency. Photo Assistant Alec Vierra. Fashion Assistant Trey Hemmings. Production The Morrison Group.



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