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Connecting the Dots

Interview - ブラッド・クロエプフィル

空間の可能性を詩のように拡張する、
ブラッド・クロエプフィルの思考。
そのアプローチはTheoryとも共鳴し、
10年前に手がけた広大な
デザイン&イノベーションセンターに結実している。
2ガンズヴォート通りにあるこの場所を訪ね、
その空間に込められた思いを取材した。

ニューヨークのミートパッキング地区に佇む、1920年代の工業ビルにあるTheoryのデザイン&イノベーションセンターには、デザインから、パターン、裁断、縫製、サンプリング、ショールームまで、服作りのすべての工程が収められている。2016年に完成したこの7万9000平方フィートの空間は、白い漆喰、淡い木材、つや消しを施したアルミニウムというミニマルな内装で、現代的な多層階のコンクリート建築の中にある。 このセンターを設計したのは、建築事務所Allied Worksの創業者、ブラッド・クロエプフィルで、デンバーのクライフォード・スティル美術館や、エドワード・デュレル・ストーン設計の「2コロンバス・サークル」を再構築したMuseum of Arts and Design、さらには2017年に刷新されたイレブン・マディソン・パークなど、数々の象徴的なプロジェクトを担ってきた建築家だ。彼の仕事に一貫して流れるのは、静かな革新性と、既存の空間への深い敬意。それは、Theoryが大切にする価値観とも共通している。 建物の完成から10年。クロエプフィルはこのTheoryのプロジェクトを振り返りながら、建築が人と人をつなぐ役割について語る。

キン・ウー(KW):あなたは、ポートランドで育ち、今はそことニューヨークを往復する生活を送っています。そのバランスをどう保っていますか。

ブラッド・クロエプフィル(BC):ここ25年ほどは、ニューヨークとオレゴンで半分ずつ過ごすという、理想的なライフスタイルを送ってきました。ニューヨークには人と都市が生み出す創造的なエネルギーが、一方で、西海岸には、より内省的で精神性に向き合う時間があります。

KW:それは、あなたの仕事にどのように影響していますか。

BC:このスタジオはとても内省的な場所です。私たちは決して目立つ存在ではありませんし、自分たちをブランド化したり積極的に発信したりもしていません。そこには一貫した謙虚さがあります。Theoryが常に何よりも「まず美しいものをつくる」ことを大切にしてきたように、Allied Worksも同じです。
KW:これまでで、初めて感情を揺さぶられた建築との出会いは何でしたか。

BC:20代前半の頃、真冬のパリでノートルダム大聖堂を訪れる機会がありました。まだソーシャルメディアもなかった時代です。今では考えられないことですが、訪れていたのは12人ほどだけでした。薄暗い空間の中で聖歌隊が練習していて、とても崇高な体験でした。

KW:ファッションブランドとのコラボレーションは、Theoryが初めてでしたか。


「Theoryは、常に何よりもまず、美しいものを作ることを大切にしてきたブランドです。」ー ブラッド・クロエプフィル

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BC:はい。だからこそ、とても興奮したのだと思います。私にとって、服はひとつの芸術表現です。Theoryのデザイナーやクリエイティブチームと仕事ができたことは幸運でしたし、互いの創作プロセスがほとんど同じであることにも気づきました。それは、イメージや色、そしてその作品が持つ精神性を探し続けるプロセスです。クリエイティブスタジオを訪れると、壁一面にイメージが貼られていることがありますが、それは私たちがプロジェクトを始めるときのスタジオの様子とまったく同じです。探しているものは同じなのです。ただ、それを服で表現する人もいれば、建築で表現する人、あるいは彫刻で表現する人がいるという違いに過ぎません。それは私にとって非常に示唆に富む発見でした。

KW:ブランドとの対話が始まった当時、Theoryについてはどのような印象をお持ちでしたか。

BC:当時、彼らのようなことをしているブランドはほとんどなかったのではないでしょうか。ミニマルで、象徴的で、無駄を削ぎ落した原型的なピース。それらはすべて建築の概念でもあります。私たちは何千年もの歴史を内包する"原型"と向き合って設計を行いますが、それはTheoryの姿勢と非常によく似ています。現代的でありながらタイムレスである、その絶妙なバランスを体現しているのです。そこには共通する美学があります。

KW:今回のプロジェクトにおいて、Theoryはあなたのどのような点に魅力を感じていたのでしょうか。

BC:おそらく、静かな表現言語だと思います。過剰に主張することなく空間を成立させること。とても繊細で、美しく作られていて、素材やクラフトに対する深い敬意がある。そうした点です。

KW:Theoryのチームには、どのような問いを投げかけていたのですか。

BC:最初の対話は、ブランドの本質と、彼らが何を目指しているのかについてのものでした。Theoryの良いところは、これまでの歴史や積み重ね、生み出してきた服から、その輪郭を感じ取れることです。それでも、デザインやクリエイティブを担うリーダーたちの言葉で直接それを聞くのは刺激的でした。私はすぐに、「どこへ向かおうとしているのか」「どのように変えていこうとしているのか」と問いかけました。そうした思想や価値観を育む"場所"をつくることが、建築の役割だと考えています。特に重視したのは、クリエイティブスタジオを分断させず、つなぐことでした。空間の中に"縦のストリート"を通し、人と人が自然に交わる仕組みをつくりました。

KW:そうした、アイデアが最大化する、つまり創造的な交流を促すための空間設計だったのですね。

BC:はい。創造的な実験と交換が行われる"ラボ"のような場をイメージしていました。全国から研究者が集まるバイオリサーチセンターのようなものです。

KW:この空間は、もともとどのような建物だったのですか。

BC:1920年代の、とても美しい産業建築でした。近くに住んでいたこともあり、この建物の前は何度も通っていましたが、内部空間は本当に素晴らしかった。そこで、この美しい"器"の中にスタジオを織り込み、旧と新を分けながらも共存させたいと考えました。

KW:再構築にあたっての課題は何でしたか。

BC:企画デザイン、プロトタイピング、そして生産という異なる機能がひとつの空間に共存している点がユニークであり、同時に難しさでもありました。それこそがこの場所の魅力であり、真の意味での"ラボ"であり続けている理由です。これほど多様な機能を一つの建物に収めている例は、他にはあまりないでしょう。

KW:素材がブランドにとって重要であると同時に、Allied Worksにとっても重要だとおっしゃっていました。アルミニウムやプラスター、木材といった素材の選択には、どのような意図があったのですか。

BC:建物自体はコンクリート構造で、1日10時間を過ごすにはやや無機質な環境です。そこに木材を取り入れることで、温かみと触感をもたらしたいと考えました。金属のスクリーンもまた、豊かな表情を与える重要な素材のひとつです。

KW:訪れた人に、この空間から何を感じ取ってほしいと考えていますか。

BC:キーワードは「透明性」です。階段を上り下りする中で、スタジオの内部が自然と視界に入る構造になっています。これまでレストラン設計では、キッチンを開放して内部を見せる空間をつくってきましたし、美術館でも制作や保存の現場を垣間見る体験は強い魅力になります。人は"舞台裏"を見たいものです。プロセスを理解したいのです。いま、多くの企業に求められているのは、人と人を結びつけることです。共に体験する場が必要とされています。

KW:それが建築の役割のひとつなのでしょうか。人をつなぐ場を生み出すこと。

BC:はい、そう思います。美術館の設計を始めた当初、「どうすれば来館者を増やせるか」を考えました。設備の充実やプログラムの拡張も有効ですが、やはり圧倒的に美しい空間をつくることほど本質的な力はありません。それが実現できれば、人は自然とその場所に惹きつけられるのです。

KW:これまでのキャリアを振り返って、最も誇りに思うことは何ですか。

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BC:誇りに思っていることは、私たちが手がけた建築が、人の心を動かしていることです。パーティーやレストラン、街中で出会う人たちが、その建物の中での体験や、自分がどう感じたかを語りに来てくれる。それは本当に胸が高鳴る瞬間です。私はこれまで、建築が持つ力と表現を理解し、それを異なる分野に応用しながら、人にインスピレーションを与えることに向き合ってきました。それ以上に楽しいことはないと思います。

KW:まだ実現していない夢のプロジェクトがあれば、教えていただけますか。

BC:たくさんあります。生涯を通して、植物園を手がけてみたいと思ってきました。もともとは植物学者を志していたのです。ランドスケープ(景観)は、キャリアの初期から私にとっての主要なインスピレーション源でした。建築とランドスケープの境界を溶かし、一体のものとしてつくり上げたいと考えています。

KW:建築家になる前はアーティストだったと伺っていますが、今でもその側面は大切にしていますか。

BC:はい。ドローイングは今でも描いています。思考するための手段なのです。書くことも好きで、今は創造的思考についての本に取り組んでいます。何が創作を突き動かすのか、そして創作そのものについてです。詩もよく読みます。空間の可能性を言葉で捉えるために、詩に導かれました。建築やデザインは、見た目については言葉で説明できますし、多くの人がそれを理解できますが、その質や体験は、より儚く捉えどころのないものなのです。

Talent Brad Cloepfil. Groomer Hide Suzuki. Photo Assistant Nick Sgaglione. Fashion Assistant Izaake Zuckerman. Production The Morrison Group. Special Thanks Laird and Good Company.



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