

LUXE Journal vol.4
大人が手に入れたい全てはここに。
セオリーリュクスと私の新しい関係 vol.04
最旬の服をまとうだけでなく、たちまち自分色に引き寄せ、さらに魅力を増して着こなす、それはファッションを深く愛している人だけができること──。今回「リュクス ジャーナル」にご登場いただいた安藤優子さんはまさしくそんな女性。第一線で活躍する理知的で安定感のあるキャスターとしての顔と、ファッションを軽やかに楽しむチャーミングさが同居しながら、そのどちらにも強い意志が横たわっている。安藤さんの生きることへの情熱はファッションへの愛と好奇心が欠かせない。
最旬の服をまとうだけでなく、たちまち自分色に引き寄せ、さらに魅力を増して着こなす、それはファッションを深く愛している人だけができること──。今回「リュクス ジャーナル」にご登場いただいた安藤優子さんはまさしくそんな女性。第一線で活躍する理知的で安定感のあるキャスターとしての顔と、ファッションを軽やかに楽しむチャーミングさが同居しながら、そのどちらにも強い意志が横たわっている。安藤さんの生きることへの情熱はファッションへの愛と好奇心が欠かせない。



- コート / New Motion Havar / 89,100
- ブラウス / New Saxony Suni / 29,700
- スカート / New Saxony Perni / 29,700
映画のような夢の世界に憧れて
「実は私、コートフェチなんです」と撮影で着用したコートを見ながらほがらかに話す安藤優子さん。冬のアイテムではコートとストールがダントツにお好きなのだそう。
「コートってドラマチックじゃないですか。映画の中で汽車から降りてくる女性はみんなコートでしょ? 一体どうやって着るのよってくらいたくさん持っているんです(笑)。今日着たストールとコートが同素材のセットアップになったものも新鮮だし、白いカジュアルな異素材コートもこなれた雰囲気で思わず目移りしちゃう。特に冬の白って憧れよね。全身白でまとめたワントーンもやってみたい!」(安藤さん)。
小さな頃から服が大好きで、自らデザイン画を描いてはお母様に作ってくれとせがんだという。
「映画の中で白いマントにマフをしていた女優さんに憧れて。どこにも売っていないから母と一緒に浅草まで生地を買いに行き、洋裁屋さんに仕立てていただいたことがあります。当時まだ小学生ですよ(笑)。着用できた時は夢の世界に近づけた気がして、本当にうれしかった。マントは今も大好きなアイテムのひとつ。今日ブラウンのマントを着用してその時の気持ちを思い出しました」(安藤さん)。


- ジャケット / New Saxony Yunel / 49,500
- ドレス / New Saxony Lissy / 44,000
- シューズ / Pippichic Pina / 35,200
ファッションは私の生きるエネルギー
子供の頃に仕立ててもらったマントとマフのように「ファッションは夢の世界に近づく手段だった」と語る安藤さん。だから「落ち込んだ時は服を買うに限る!」とも。
「気持ちを一気に切り替えてくれますから。ちょっと極端な話になりますが、湾岸戦争の取材時にヨルダンから脱出して命からがらロンドンの空港にたどり着いた時、私が一番に最初にしたことは、キラキラのジュエリーを買いまくったことだったの(笑)。毎日ミサイルが飛び交い、防空壕に隠れるような日々から解放された時、私が一番必要としていたのは美しくきらめくもの、夢の世界に連れて行ってくれる何かだったのね。それを手にした時、心のバランスがやっと取れた気がしました。別の取材でも、紛争地からようやくたどり着いた空港で買ったのはなぜか真っ白なデニム。戦地では一番履いちゃダメな目立つアイテムなのにね(笑)。でも私にはどうしても必要だった。女性にとって服やジュエリーがいかに大きなパワーを持つかを実感した瞬間でした。私にとってファッションは生きるエネルギーそのもの。極限状態からも心を救ってくれたんです」(安藤さん)。



- コート / Motion Light Nicol / 84,700
- ニット / Cashmere Wanda / 49,500
- パンツ / New Saxony Carol / 29,700
- シューズ / Pippichic Pina / 35,200
プライベートでは好きなものを自由に楽しむ
1970年代から女性キャスターの草分け的存在として、国内のみならず世界中を飛び回り取材してきた安藤さん。今ほど女性の社会進出が進んでいなかった時代、安藤さんにとって服は「自分を引っ張り上げてくれる鎧」でもあったという。時代が変わり、経験値上がった今でこそ選択肢はずいぶん広がったが、それでも情報を正確に伝えるという仕事柄、自身が目立ちすぎてしまうのを避けるため、オフィシャルでの服選びには細心の注意を払ってきたという。
「反動からかプライベートではドラマチックさや遊びのある服、可愛らしさのある服に惹かれるし、抜け感のある着こなしを思いっきり楽しみたい。なめらかな肌触りのシルクブラウスやレザーのパンツ、リネンのワンピースなんて最高ね。大好きなの。決して仕事では着られないからこそ、プライベートでそうした服を着ることで自分を取り戻すことができるんです。そう考えると、私は服にずいぶん助けられてきたかもしれない。セオリーリュクスもワードローブにたくさんあって、ずっとお世話になってきたのよ(笑)」(安藤さん)。
「いくつになってもシンプルなTシャツとデニムが似合う人でいたいから身体を鍛えています」と安藤さん。それも20年以上。食事にも気を使っているという。愛するファッションをとことん楽しみたいという貪欲さは、自分を律する強い意志と切り離すことはできない。
「こうありたいという理想の自分を作ってくれるのが服だと思う。だからもし自分の体型のせいで着られない服があったら、私はその服を諦めるのではなく、着られるようになるためトレーナーに新しいメニューを作ってもらい、ひたすら地味にトレーニングすると思う。今は背中にお肉をつけないこともトレーニングのテーマ。私、服への愛がすごいんです(笑)」(安藤さん)。



- コート / Fraction Hilby / 84,700
- ブラウス / Marvine Madilyn / 29,700
- パンツ / New Saxony Sefina / 34,100
- シューズ / Pippichic Pina / 35,200
Photographer/YOSHIYUKI NAGATOMO
Stylist/KAYOKO MURAYAMA
Hair/MIKI SAYUDA
Make/SADAE SASAKI
Editor&Writer/ASAMI TSUBOTA